前記事では、競技特性と体力特性からサッカーは体力面の要求が非常に高いスポーツだということをお話ししました。(前回記事

今回は、前記事の話の中で出てきた体力特性の下記4つのアクション要素の①、③のアクションの質について説明していきます。

①アクションの質(100%のアクション)

②アクションの頻度(アクションをどれだけ多く行えるか(より短い時間で回復できるか))

③アクションの質の維持(試合後半での質(爆発力)の低下を抑える)

④アクションの頻度の維持(試合開始から後半まで高いアクション頻度(回復力)を維持する)

 

アクションの要素を高めることの重要性

試合でそれぞれのアクションが低いとどのような現象が起こるか、またトレーニング内容&要素も考えてみましょう。

①アクションの質(100%のアクション(爆発力))

▶︎アクションの質が相手よりも低い場合の一例

・DFでカウンター時のスプリントで相手FWに負けて失点する。

・球際のボディコンタクトで負ける。

・1vs1のDFでの対応(ステップ&方向転換)が出来ず突破される。

・ジャンプヘッドで競り負ける。

▶︎主なトレーニング内容・要素(アクション100%→101%にする)

内容

パワーやスピード(1度に大きな力を素早く出せる能力)を向上させるために、

・100%を出せる環境・刺激でスプリントなど下記要素の1つまたは複数の動作を最大限休息でトレーニングすること。

・下記の各要素の能力を高める目的でムーブメントトレーニング(加速、減速、再加速、方向転換、回旋)や筋力トレーニングなどをすること。

要素

・スプリントトレーニング(直線/曲線)

・アジリティトレーニング(方向転換/ステップワーク)

・ジャンプトレーニング(垂直方向/水平方向/コンタクト)

・コンタクトトレーニング(その場/並走/ジャンプ)

・筋力トレーニング(筋力/体組成/動作の基礎作り)

・補助トレーニング(各関節、身体各部位の柔軟性、安定性、可動性、協調性)

▶︎改善&向上のためのトレーニング例(球際での競り合い(ボディコンタクト)で負ける)

状況把握&判断ありのトレーニング

・対人でのボールを使ったトレーニングを十分な回復(呼吸が落ち着く)を挟みながら全力で行う。

(例:リアクションボールキープ/ボールを2人の前に置いて合図でボールと相手との間に身体を先に入れる)

・ボディコンタクト前の状況把握&判断をトレーニングする。(例:ポジショニング/競り合いに行くか行かないか/どのボディコンタクトの方法が有利な状況か)

状況把握&判断なしのトレーニング

・グランドでの動作トレーニング(その場でのボディコンタクト、並走時のボディコンタクトなどそれぞれのコンタクトでの身体の使い方をトレーニングする)

・ウエイトトレーニング(筋力や体組成を高める/動作の基礎作り)

 

③アクションの質の維持(100%のアクションの質(爆発力)の低下を抑える)

▶︎試合後半に進むにつれてアクションの質の低下が大きい一例

・FWがDFライン裏に抜け出してシュートチャンスで相手DFに追いつかれるようになりシュートが打てなくなる。

・カウンター攻撃でスプリントスピードが遅くなり、相手よりも先にスペースへ走れなくなる。

・カウンターでの守備で自陣へ戻るスピードが遅くなる。

▶︎主なトレーニング内容・要素(アクションの質の低下を抑える)

内容

・100%を持続して出し続けられる環境・刺激で下記要素を最小限休息でトレーニングすること。

・アクションの質(100%)を高める(同じ対戦選手とスプリントをする場合、アクションの質(100%)が高い状態の方がアクションの質(100%)が低い状態よりも1回で行うスプリントを低いアクションの強度で勝つことができ、疲労も少ないため試合後半のアクションの質の低下を遅らせることができる)

要素

・スプリントトレーニング(直線/曲線)

・アジリティトレーニング(方向転換/ステップワーク)

・ジャンプトレーニング(垂直方向/水平方向/コンタクト)

・コンタクトトレーニング(その場/並走/ジャンプ)

・筋力トレーニング(筋力/体組成/動作の基礎作り)

・補助トレーニング(各関節、身体各部位の柔軟性、安定性、可動性、協調性)

 

▶︎改善&向上のためのトレーニング例(シュートチャンスで相手DFに追いつかれる)

・対人でのボールを使ったトレーニングを最小限の休息を挟みながら数本を全力で行い続ける。

(例:スプリントシュート/パサーからボールが出た瞬間に2人同時にスタートして先にボールを触りシュートする。10秒程度の休息を挟みながら繰り返し行う。)

・①アクションの質(100%)を高めるトレーニングを行う。

 

まとめ

それぞれのアクションの質が低いとどのような現象が起こるかという話しでしたが、試合の中で得点を決める&守るためのスプリントなどアクションの質が試合の勝敗を決定づけるとても重要な能力であり、その能力を改善&向上するためのトレーニングが必要であるということが理解出来ると思います。

 

次回は、②&④のアクションの頻度について今回と同じ観点でお話しします。