こんにちは。今回は「論文を読んでみよう 導入編」の続きです。まだ読んでない人は是非!

「よし、論文を読んでみよう!」とは意気込んだものの、英語だし、何書いてあるかわかんねー

っていう方も多いかと思います。今回は、そんな「わかんねー」を解決する一つのヒントになるべく、頑張って書きます。

はじめに

論文は幾つかの項で構成されています。その論文の種類(学位論文なのか、原著論文なのか、とか)によって呼び方は様々ですが、その構成はざっくりと「(タイトル)総説、緒言、方法、結果、考察、謝辞、参考文献」に分けられます。

それぞれの項が何を示しているかわかるだけで、随分と論文を読みやすくなるはずです。それでは、それぞれの説明をしたいと思います。

 

総説(Abstract)

論文を「超ざっくりと」短くまとめた文章です。Pubmedなどの論文検索エンジンでは、たいていの人がこの項を見てその論文にアクセスするかを決める(たぶん)ので、いかにその論文の面白さや意義をこの項の中で書ききることができるかが重要になってきます。

一昔前までは、文章がごちゃごちゃと描かれているいわゆる「ただのまとめ文章」だったのですが、近年ではIMRAD(Introduction, Methods, Results, Discussion)を明確に、かつ見やすくした「構造化抄録」の投稿が義務付けされている雑誌もあったりします。

 

緒言(Introduction)

その論文の研究が行われるに至った背景(研究少史や問題点)が述べられている項です。つまり、この項を見れば、どうして、どんな仮説があって筆者たちがこの研究をしたのかを知ることができます。さらには、筆者たちがその問題点に対してどんな意見を持っているのかも知ることができます。

ただし、あくまでも「意見」なので、この緒言の一部を切り取って鵜呑みにしてはいけません。

 

方法(Method)

その論文が行われた方法、場所や条件等を記載する項です。ここを見れば、どんな人たちが被験者としてリクルートされているのか、介入期間は何日なのか、どんな統計解析を行ったのかを見ることができます。

さらには、後の(他の研究者の)再現性を確保する、または測りたい指標に対してその方法が妥当かどうかを判断するという意味でもこの項は重要な意味を持っていて、あまりにも再現性、妥当性に乏しいと「何でこの指標に対してこのテスト使ってんだよ!」とか「おい、お前データ偽装しただろう!」なんてことにもなりかねません。スタッp、、、、

あと、例えば「Resistance training reduced fat mass.」という論文があったとしたら、ここの被験者の項を見れば「あぁ、元々肥満の人をリクルートしてるんだから何やっても体脂肪が減るのは当たり前だよね」とかいう意見が出てくるわけです。さらに踏み込むと、この群数に対してこの統計手法は統計力的に平気なのか?とか、何でコントロール群置かないの?みたいな意見も出てきたりします。この項はありのままの事実を書く場所のはずなので、基本的に筆者たちの意見は入ってきません。

 

結果(Result)

方法を経て得られた「結果」を載せる項です。基本的に論文はここがメインになるので、筆者たちの「何としてでも有意差を出そう」「差があるように見せよう」という努力の結晶が詰まった項です(いいんだか悪いんだか、、、、)。

ここでは、図表の読み方が求められてくるので、それぞれの図表が意味するものを理解しなければいけません(◯◯は⬜︎⬜︎の略である、*は有意差を意味する、Δは差分を意味する、とか)。この項もありのままの事実を書く場所のはずなので、基本的に筆者たちの意見は入ってきません。

 

考察(Discussion)

結果をうけて「なぜこのような結果になったのか」という筆者たちの考えがまとめられている項です。自分たちの予想に反する結果が出てしまった場合には、その結果を被験者のせいにしたり、介入期間のせいにしたりと、割と責任転嫁が繰り広げられている項でもあります。もちろん、予想どうりの結果が出た場合にも、その結果が出た要因を先行研究をあげて説明してくれている場合もあります。

世界の著名な研究者たちの「俺はこう思ってるぜ、ベイべ」という意見を見ることができるのは非常に楽しいですし、新しい考え方を発見できる、そんな項でもあります。

 

謝辞(Acknowledgment)

その研究の資金を出してくれた、オーサーに加えるほどじゃないけど手伝ってくれた、助言をくれた人、機関、組織にお礼をいう場所です。ここでプロポーズした人もいるみたいです。

参考文献(Reference)

その論文を執筆するにあたって参考にした論文を列挙する項です。

 

まとめ

これに加えて、JSCRなどは「Practical applications(現場への応用)」の記載を義務付けています。

論文はいろんな項に分かれていて、そこかしこにその研究者のオリジナリティがちりばめられています。結果だけ見て「なんだこりゃ」と思って方法を見てみると、かなり斬新な測定法をしていたり、オリジナルの統計を使っていたり。

少しでも、皆さんの論文を読む際の手助けになれば幸いです。次回は論文の種類についてです(本当は今回書くつもりだった)。