ご無沙汰しております。久保です。少し日にちが空いてしまいました、申し訳御座いません。

さて、もう5月ですが、大学をはじめとする多くの教育機関では新入生が入ってきたと思います。僕の所属する大学でももちろんそうです。その中で、ちょっと気になる発言を耳にしました。

「怪我に繋がるから新入生にはトレーニング指導をするな」

というものです。もはや失笑もので、それを聞いた時は「まだこんなこと言ってる人いるのか、くっだらねー」とか思ってたんですが、この際なのでもう一度、ウエイトトレーニングの安全性を確認していきたいと思います。どんなガンコな監督、コーチにでも、データを元に議論を進めて納得してもらうのは大事だと思うので。

NSCAの公式声明

2011年、ConleyらによるNSCAの公式声明が発表されました。その中で「Risk of Injury」つまり、ウエイトトレーニングにおける傷害発生率をまとめた項があります。その中で筆者らは100時間各スポーツを行った時の傷害発生率をウエイトトレーニングと比較してまとめています。その結果は以下の通りです。

100時間当たりにおける傷害発生率

フリーウエイトやマシーンを使ったトレーニング:0.0035

パワートレーニング:0.0017

サッカー:6.20

陸上:0.57

アメフト:0.10

バスケットボール:0.003

体操競技:0.044

このように、ウエイトトレーニングはサッカーの約1/1700の傷害リスクで、他のスポーツよりも群を抜いて傷害発生率が低い結果となりました。

低い傷害発生率を保てる条件

しかし、すべてのトレーニングで低い傷害発生率なわけではなく、筆者らは以下のことが守られた時にそれは起こるとしています。

①適切なアップ

②適切なテクニック

③そのトレーニングが誰かの監視下で行われたものである

④補助者が付いている

⑤過度な追い込みをしない

⑥器具に不具合がない

⑥スペースが十分である

つまり「トレーニングをすると怪我をする!」と言っている人は上記のことが守られていない「不適切なトレーニング」しか知らないんだと思います。なんだか、残念ですね。あと、他の競技選手にレクリエーションでサッカーとかをやらせているなら、より高い傷害リスクに選手たちを晒していることを自覚するべきです。

若い選手の芽を摘まないためにも

「トレーニングは悪だ」を信念としている昔ながらの監督やコーチの元で若い選手たちの芽が摘まれないよう、傷害予防、競技力向上に適した正しいウエイトトレーニングを広めるのが私たちS&Cコーチの仕事だと思っています。特に高校、大学の低学年からトレーニングを覚えておけば、その先急にトレーニングを始めるよりも飲み込みが早く、長い時間をかけてトレーニングの効果が実感できると思います。新入生の皆さん、頑張りましょう!以上!