「スピードを高める」と一言に言っても、競技では状況判断・反応・プレースピード・ダッシュ・方向転換・フットワーク・スイング(回旋)動作・ボールスピードなどの様々な『スピード』があります。

今回はその中から『直線でのランニングスピード』向上を目的としたスプリントトレーニングをご紹介します。

 

スプリントトレーニングの位置付け

まずスプリントトレーニングの位置付けを確認します。

前回お話ししましたエネルギー使用能力(http://strong.dietgenius.jp/training/445)のイメージ図です。

 

 

スプリント能力を高めるためには全てのパートを複合的に螺旋状にトレーニングする必要がありますが、私の方からはフィールドでのトレーニングをメインにお話ししますので、主にムーブメントスキルでの位置付けと考えます。

ムーブメントスキルについては以前のコラムでご紹介させていただきましたが簡単にまとめると、

「様々な状況下で加速、減速、再加速、方向転換、回旋動作良いボディバランスを保ちながら、より速く・よりパワフル・より効率的に行なう能力」です。

これらの能力向上を目的としたアプローチ方法は多種多様ですが、

▶︎動きの出力パターン(加速、減速、再加速、回旋)を構築&強化する(競技力向上の準備)

▶︎実際のプレー動作に繋げる

の2つを目的にトレーニングを実施します。

以下にムーブメントトレーニングでおさえておきたいポイントをまとめました。

 

 

上記のポイントをもとに、スプリント・方向転換・ステップワーク・ジャンプなどのトレーニングに取り組むことでムーブメントスキルの目的が達成されます。

 

スプリントの構成要素

本題のスプリント(ランニングスピード)の構成要素を確認していきましょう。

 

[ランニングスピード=ストライド長×ピッチ頻度]

 

上記の式を見ると分かるようにストライド長(1歩の歩幅)とピッチ頻度(一定時間内の歩数)の2つ、もしくはどちらかが高まることにより、ランニングスピード(スプリント能力)が高まります。

スプリントには大きく分けると2つの局面があり、

▶︎加速局面(約0m〜20m):前傾姿勢(40〜45度)

▶︎最大スピード局面(約40m〜60m):直立姿勢(に近い)

この2つは全く異なる動きのため、競技やポジションの特性を考え、それぞれに分けてトレーニングすることが必要です。

 

スプリント動作(テクニック)

スプリント能力を改善するためには、

「正しいフォームの獲得」「効率よく力を地面に伝える&受け止める」

が重要となります。

そして、それら2つを高めるためのスプリント動作(テクニック)「姿勢・腕の振り・脚の動き」に関わる⑥ポイントがあります。

 

 

上記の図は状況の把握・判断・反応など外的な刺激を伴わない、スプリント動作(テクニック)のポイントです。

①パワーライン(軸角度※ここでは足関節〜脊柱(足首〜頭)と定義する)

→意図した進行方向へ身体を傾け体幹部の安定性を含めパワーラインを真っ直ぐに保つことで、効果的に力を地面に伝え、反力を受ける事が可能になる。(特に体幹部の安定性(外力に対抗出来る体幹)がなければ力が効率的に伝わらない。)

②ポジティブシンアングル(脛角度)

→新しい進行方向へ脛角度を倒すことでスムーズな加速・再加速を可能にする。(加速時に接地のポイントが前方の場合はネガティブシンアングル(ブレーキ(減速動作)となる。)

③エルボーハンマー(腕振り)

→加速する際の推進力のアシストになる。

④ニーパンチ(膝の引き上げ)

→膝を素早く前方へ(膝蹴りのイメージ)引き上げることで、接地足で後方に地面を素早く強く押すことができる。

⑤地面半力(地面を足で押す)

→走るときは足が接地した時にのみ推進力が得られる。地面を押した反発力を効率良く活用する。(最大限の推進力を得るためには、短時間で大きな力を地面に伝える必要がある。)

⑥トゥーアップ(つま先を下げない)

→つま先を下げず(背屈)に固定することで、足関節が安定して力をロスなく地面に伝えることができる。

 

まとめ

これらスプリント動作(テクニック)をトレーニングして動作の効率性・質の高い動きの継続性が高まり、スプリントスピードが向上することで、競技プレー中の技術発揮やプレーの達成がよりスムーズに行うことを可能にします。

 

次回はスプリント動作(テクニック)をどのように向上させるのか、各エクササイズをご紹介します。