アスレティックトレーナーの西川です。

 

 

みなさんは目の前のテーブルにあるペッドボトルを取るときに、

 

自分の腕を“動かして”いますか?

それとも自分の腕を“動かされて”いますか?

 

喉が渇いて、水を飲みたくて、自分でペッドボトルを取るんだから、腕を“動かしている”に決まってるだろ!!

 

そんな馬鹿げたことをいちいち聞くな!

という声が聞こえてきそうですが。。。

それでは僕の思うツボです笑(ケッケッケ)←なんだか悪者っぽいですねww

 

 

では、こんな場面ではどうでしょうか?

熱戦が繰り広げられるWBCのような大舞台に立つピッチャーは様々なプレッシャーの中でボールを投げるときに腕を動かす意識はあるでしょうか?

ラグビーの試合で自分がタックルミスをしたら逆転のトライを許してしまうというような場面で、腕を意識してタックルをするでしょうか?

絶対に外すことができないPK戦でキッカーは足を意識してボールを蹴るでしょうか?

 

さぁどうでしょうか?

喉が渇いて、水を飲みたくて、目の前にあるペッドボトルを取るときに腕を動かそうと思うでしょうか?

 

 

おそらく、よほどの技術的(フォーム)な意識がない限り、これらの(運動)場面で自分の腕をこんな風に動かそうという意識が働くことはないと思います。

同様にペッドボトルを取るというような日常生活動作においても体の一部を動かすという意識はほとんど働いておらず、これらの多くは無意識的に行われているはずです。

 

 

では、何によって“腕は動かされている”のか?

それが「感覚」です。

 

感覚という言葉はよく感覚的に使われますが、運動や動作、スポーツパフォーマンスについて考えるとき、力学的(筋肉を鍛えることなど)問題や運動学的(フォームなど)問題と同じようにきちんとした言葉で表現されるべき重要なポイントです。

 

●感覚とは

運動における感覚は、①視覚②聴覚③味覚④嗅覚⑤触覚という、いわゆる五感と呼ばれるものに加えて、体のバランスや重力を感知する⑥前庭感覚(平衡感覚)、筋肉や関節にある姿勢や位置(空間)を感知する⑦固有感覚という7つの感覚によって構成されています。特に運動においては、“視覚”“前庭感覚”“固有感覚”という3つの感覚が重要であり、緊張状態を表す際に使われる「地に足がついていない」という状態には地面と足裏の“触覚”が、野球に限られた例えではありますが、「指先の感覚」などと言われるものでは、ボールと指先の“触覚”も極めて重要となります。

 

つまり、視覚からの「テーブルの上にペッドボトルがある」という情報に基づいて、自分とペッドボトルの距離が瞬時に計算され、「これくらいの位置に腕を伸ばしなさい」という脳からの指令の下、腕を動かす筋肉が働いて、腕が伸び、絶妙なコントロールによってペッドボトルを触れた手の触覚によって「これくらいの重さなら、これくらいの力加減でこうやって持ちなさい」という指令が脳へ戻り、再び、指の筋肉によってペッドボトルを掴んで持ち上げることができるわけです。(めんどくさいですね笑)

 

とにかく、何が言いたいかというと、腕を動かそうとか筋肉を動かそうという意識はあまりなく、様々な感覚情報の統合によって私たちの動作は成り立っているということです。

 

従って、大きな力を出すためのウエイトトレーニングやより良いフォームを身につけるための技術的な練習と同様に感覚を鍛えることも重要だということです。

 

では感覚はどう鍛えるのか?

これはかなり難題ですが、次回はこの辺りのアプローチを紹介したいと思います。

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

(タイトルの写真と内容は一切関係ありませんが、トレーニング好きの人間としてとても興味をそそられるガチャガチャでした。。。)