モビリティとは動的柔軟性のことで、モビリティドリルは自分でコントロールして動かすことのできる関節の可動域を向上させるトレーニングです。

 

何かしらの動作を行う際に、ある関節の必要なモビリティが不足すると、別の関節が動きを補おうとして過度に負担がかかり、怪我やパフォーマンスの低下につながります。

そのため普段からモビリティを高める取り組みをしておくことが重要です。

 

モビリティドリルの種類はたくさんありますが、今回はケトルベルを使った上半身のモビリティドリルをご紹介します。

 

 

アームバー

・肩甲胸郭関節、胸椎のモビリティ

・体を最大限ひねった状態で10秒間キープ。左右5~10回ずつ

・胸部、肩甲骨周辺、腰背部にストレッチ感を感じられるように行う

 

 

ベントアームバー

・肩甲胸郭関節、胸椎のモビリティ

・肘を最も下ろしたところで10秒間キープ。左右5〜10回ずつ

・胸部、肩甲骨周辺、腰背部にストレッチ感を感じられるように行う

 

 

ヘイロー

・肩甲胸郭関節

・肩甲胸郭関節のモビリティ

・左右10回ずつ

・ケトルベルを顔の周りで回すように行う。肩甲胸郭関節の動きを意識

 

 

 

これらの種目を行う際のケトルベルの重さは、男性で8kg、女性で4kgと軽めを使用します。

あまりに重すぎると、筋が緊張して可動域を大きく取ることができなくなってしまいます。

 

ケトルベルがない場合はダンベルでも代用可能です。ダンベルで行う際にはあまり強く握らないように行ってください。

 

紹介した中でも特にオススメなのがアームバー、ベントアームバーです。

これらの種目は肩甲骨を内転位に保ちながら、重量をかけて下げていくために肩甲胸郭関節の可動域が出やすくなります。

 

これらの種目を行った後でベンチプレスをすると、肩甲骨の内転動作をさせやすく、胸椎の伸展も感じやすくなります。

ベンチプレスで肩に痛みや違和感を訴える選手に対して、ウォーミングアップでアームバーを行うと痛みや違和感が軽減されることが多いです。

胸筋の張りが強い時や肩甲骨の動きが悪いといった不調がある方は是非一度試してみてください。

 

 

 

 

現場での運用

これらのモビリティドリルはトレーニング前のウォーミングアップとして有効です。私のチームでもウォーミングアップに取り入れています。

トレーニング前に行うことによって可動域が広がり、その後のトレーニングの質が向上するからです。

 

モビリティは大切な身体要素の一つですが、地味なトレーニングのため選手任せにしていると手を抜きがちです。
ウォーミングアップとして取り入れることで、やらざるを得ない環境を作ることができるためこのような形で取り入れています。

 

また数回行った程度では改善されないので、ウォーミングアップに組み込むことで実施する回数を確保するという目的もあります。

 

 

 

 

 

モビリティ改善のメリット

・パフォーマンスの向上

モビリティが改善されることで、競技動作で関節の可動域を大きく使うことが可能となります。

ボールを投げたり、走ったりする競技動作では力を発揮出来る関節の可動域が広がることによって、より大きな力をボールや地面に伝えることができるようになります。

その結果、速いボールを投げたり、速く走ったりとパフォーマンスアップに繋がります。

 

 

・怪我の予防とリスクの低減

必要なモビリティが不足している関節がある場合、その動きを別の関節が補おうとするので、必要以上に負担がかかり怪我につながります。

例えば股関節のモビリティ不足により、腰椎が過度に動いてしまい腰痛につながったり、オーバーヘッド動作中に肩甲胸郭関節のモビリティ不足により、腰を過度に反って腰を痛めてしまうといったことが起こります。
 

 

 

まとめ

モビリティを向上させるにはある継続的に今回ご紹介した種目は軽めのダンベルが一つあればできるので、ウォーミングアップのバリエーションの一つとして是非取り入れてみてください。

今回ご紹介した以外にも様々なモビリティドリルがあるので、自分に合う種目を見つけて継続してみましょう。