多くのスポーツ競技に置いて重要になるのが足部の状態です。

足部は日常生活の中でも唯一地面と接している部位となるので、そのアライメント不全(配置のズレなどを指します)の有無により様々な影響を身体各部位へ与える可能性がある事をぜひ覚えておいてください。

今回は足部の基本的な構造や考え方などについてお伝えしていきます。

 

<目次>

・足部について

・アーチの低下

・なぜ変位(ズレ)が生じるの?

・スキル習得にも悪影響があるかも

・内側縦アーチ低下改善の一例

・まとめ

 

足部について

足部は26個の骨と2個の種子骨から成り立ちます。両足合わせると約56個、身体全体で約200個(200〜208個)の骨なので、実に身体全体の約1/4もの骨が密集している事が分かりす。

それ故に、各骨のアライメントも崩れ易く、関連する筋の機能低下なども起こり易い部位です。

アーチの低下

足部の構造で大切になるのがアーチ構造ですが、アーチといっても ⑴内側縦アーチ ⑵外側縦アーチ ⑶横アーチ(近位部、遠位部)と大きく分けると3つあります。この中でも特に、⑴内側縦アーチや⑶横アーチが低下しているアスリートが多くみられます。内側縦アーチ=「土踏まず」だと思って頂くと分かりやすいですね。

内側縦アーチの低下は、俗に言う「扁平足」の状態となり、足部アライメントが崩れた状態を指す事になります。

ではなぜアーチが低下してしまうと良くないのか?

理由は多岐に渡りますが、「アーチ構造が崩れてしまうと重心位置が変化したり、筋肉や関節が適切な働きができにくくなるので、各筋肉や関節の負担が増加し、結果としてパフォーマンスの低下や怪我に繋がる可能性が高い」からということが私が考える主な理由です。

特に走動作、跳躍動作などでは接地〜離地時の地面への力の受け渡し(ローディング/アンローディング)、地面反力などは重要となりますが、それらの状況にも影響を与えることが予想されます。

ここで、内側縦アーチ低下を例に挙げてみます。

この原因は様々なケース、個人差が考えられるので一括りに説明ができないのですが、その多くは母趾外転筋や前脛骨筋、後脛骨筋の機能低下による腓骨筋群の過剰収縮(腓骨筋群過剰収縮による母趾外転筋、前脛骨筋、後脛骨筋などの抑制弱化の場合もあります)や舟状骨の変位、距骨下関節、距体関節の変位などが主な原因と考えられます。

母趾外転筋(右足)
・長腓骨筋(右脚)
・短腓骨筋(右脚)
 

なぜ変位(ズレ)が生じるの?

私が現場で見ていて1番多く感じる変位の要因は、スパイクなどの靴(インソールなども)と、オーバーユースです。アスリートであれば特に、毎日ハードにトレーニングや練習をこなしていると思います。この時、自分の足に合っていない靴を使用しながら競技特異性のある動作を行なっていくと、高確率で上記に挙げた関節や筋にズレが生じていると思います。
そして、1つがズレるとそのズレを補完しようとまた違うところがズレる(代償動作と言います)、、、といった様に関節や筋肉がマイナスに連鎖して、最終的に適正な関節のアライメントや円滑な動作を取る事が出来ない身体となってしまいます。その状態でさらに継続して練習やトレーニングをハードに行なっていくと、結果としてオーバーユースとなり、無理が集中する部位に慢性痛や強い違和感を覚えるといった事が起きます。(もし現在その様な状態にある場合は、上記の様な事を気に留めてみてください。)

スキル習得にも悪影響があるかも

足部からの様々な代償動作の結果、同様の理由から足部以外の部位にも力の入る筋肉と入りにくい筋肉などが出てきます。これはアスリートも一般の方も多かれ少なかれ誰にでもあります。

アスリートの場合は、獲得したい競技スキル(投げ方、飛び方、打ち方、etc)があるはずですが、このスキル習得の邪魔をする原因が、実は上記の様な代償動作である事も多々有り得ます。自分が動きたくても機能的に動けない(動きにくい)筋肉や関節があればそれは瞬時に効率よく動くことができません。

そして、理想とは違うスキル動作パターンが日々の反復練習により脳にインプットされてしまい、競技力がなかなか伸びない、、、という結果に陥ります。

勿論これが絶対ではありませんが、「その様なケースも多々ある」ということは覚えておいて欲しいのです。根性やセンスではなく、身体機能的に難しくなっている事も有り得るのです。

 

内側縦アーチの改善方法の一例

扁平足の大きな原因である、内側縦アーチの低下改善の為には幾つか方法があります。W-upなどで出来そうなものをぜひ試してみてください。

 

<ショートフット(母趾外転筋エクササイズ)>

① 両足の幅を拳幅で立つ
   
② 両足の指を全て挙げる
 
③ ②の状態から親指のみゆっくりおろす。この時に土踏まず(内側縦アーチ)が地面につかない様に引き上げておく感覚が一番大切です。
  
④ 土踏まずの引き上がり(収縮感)を感じながら、その土踏まずが地面につかない様に残りの4本の指もゆっくりおろしてくる。この時、指先が地面を掴む様に曲がらない様に気をつける。
 
⑤ 土踏まずが引き上がった感覚を持ちながら5〜10秒間その状態をキープ。
⑥ ①へ戻って繰り返し。母趾外転筋(土踏まずの筋肉)の収縮感が出ていればOK。
15〜20回程度を数セット繰り返し。

<トゥーレイズ(前脛骨筋トレーニング※脛の筋肉)>

①ダンベルやプレートなどをつま先の上へ乗せる

②しっかりと足首からつま先を上げる

③ゆっくり①へ戻り繰り返し。15〜20回を2〜3セットでも十分効果的です。

まとめ

ハードなトレーニングで今よりも「追い込むこと、どれだけやるか」を追求するのではなく、「より良い身体状態で最良のトレーニングや競技練習に臨む事」が今行っている練習やトレーニングの底上げをしてくれる事を是非覚えて頂ければ幸いです。
ショートフットでは、外反母趾が強い方などは土踏まずの引き上げ感覚が鈍くなっていて初めはなかなか分からないという方もいますが、諦めずに何回もやってみてください。少しずつ感覚がわかってくると思います。
 また、腓骨筋群が過剰収縮(=硬くなっている)のケースも多いので、上記のエクササイズをする前に、腓骨筋群のストレッチやリリースをしてから行うとより効果的かと思います。
足部はケースを出しながら今後もシリーズで書いていこうと思います。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。