最近「トレーナーになりたいんですけどどうすればいいですか?」というお問い合わせをいただく機会が増えました。20年に東京五輪があるからなのかどうかはわかりませんが、トレーナーを見て「私もああなりたいな」と志してくれる人が増えてくれるのは非常に喜ばしいことです。

だけど、ただ漠然と「トレーナーになりたい」だけではもしかすると泥沼にはまってしまう可能性もあったりします。ということで、今回の記事はトレーナーのキャリアについてのお話です。まだまだ駆け出しの僕ですが、少しでもトレーナーを志している子たちの目に届いて、現実を知っていただければと思います。

トレーナーってなんだ

そもそもトレーナーというものにはいろんな種類があります。チームに所属して主にアスリートのアスリハを担当する「メディカルトレーナー」、トレーニング指導を担当する「S&C」、フリーランスや会社に所属して活動する「パーソナルトレーナー」など、書いていてゲシュタルト崩壊を起こすレベルです。しかも、今僕が挙げたのはあくまでも僕の中での分類なので、もしかしたらもっと違う種類、働き方とかもあるのかもしれません。

まず、トレーナーを志そう!と思ったら、この中から一つ(もしくは二つくらい?)的を絞って勉強、もしくは活動をしなければいけません。まぁ、当たり前のことですね。

トレーナーの現実

いろんな資格を取って、勉強をして、さぁトレーナーとして一歩をふみだそう!今日から僕はトレーナーだ!

というわけにはいかないのが現実です。というのも、プロ野球やプロサッカーなどのメジャースポーツチーム以外は資金かつかつの状況で活動しているところが多く、トレーナーにそんな多くのお金を出せないのが現状なのです。いいところでせいぜいフリーターが少しがんばりましたくらいのお賃金をもらえるくらいです。例えばここから一人暮らしの家賃、移動費、携帯、インフラ料金を払うとなると「おれ、何で大学出たんだろう」と自問自答すること必至です。そのくらいトレーナーは稼げません。お金のためにやってんじゃねーよ!という意見もあるかとは思いますが、自分一人の人生ではない、ということを考えると、やっぱり生きていく上でお金は大事なんです。晴れてメジャースポーツのトレーナーになったところで、大抵の場合は単年契約、いつ肩を叩かれるのかもわかりません。

そうなると、大抵の場合は色々な現場を掛け持って生活資金を得る、という方法をとらざるを得なくなりますが、固定給があるわけでもなく福利厚生を受けられるわけでもない、いつプータローになるかわからない。といった現実を背にして働くことになります。実際、同級生が会社でいい感じに昇級して行って、いい車に乗って、、、とかを間近でみてたりすると、いよいよ「おれ、何でトレーナーやってんだろ」とか思っちゃたりします。それでいい感じに稼げるのであれば話は別ですが。「現場」とか「チーム」にこだわりを持って活動するのであれば、これはしようがないことなのかなとも思います。中にはSNSをつかってうまーく活動されている方もいらっしゃいますが、みんながみんなその人たちのようになれるわけでもありません。これも現実です。

東京五輪の後には雇用が減る

2020年に東京五輪が開催されるーー!とスポーツ業界は盛り上がっています。それに備えて昨今では色々な大学や企業でアスリートを乱獲して、それをサポートする我々トレーナーも、一社会人として雇用されるまでになっています。

だけど、笑おうが泣こうが喚こうが、いずれ東京五輪は終わります。それにつれていわば「東京五輪用」として雇用されてた選手やサポーツスタッフのクビが切られるのは容易に想像ができるでしょう。いままでは「もしかしたらオリンピック行けるかも!?」で雇ってもらえてた人たちのクビが切られて、次は「こいつなら確実に行けるだろう!」という人たちの枠しか残っていないのです。これはトレーナーにも同じことが言えて、オリンピックスポーツのために雇用されてたサポートスタッフは「契約満期」ということで他の現場に行かざるを得なくなるでしょう。残るのは「ホンモノ」か「強烈なコネを持っている人」どちらかです。これは誰が悪い、とかいう話ではなく、もうどうしようもない話なのです。

じゃあ、どうすればいい?

僕も一応トレーナーなので、マイナスなことばかり書いていてはどうしようもありません。では、どうすれば最小限に「食いっぱぐれる」リスクを回避できるのでしょうか。幾つか考えてみました。

①大手のジムに「社員」として入る


スポーツ現場へのこだわりがある人にとっては受け入れずらいかもしれませんが、これがトレーナーとして生きていく上では一番安定していると思います。会社に所属をすれば固定給も受け取れるし会社によっては福利厚生も充実していることでしょう。ここでいう「大手」とはなにも上場企業とかそういうのではなく、母体が安定していてしっかりしているところ、と言う意味です。そういうところで歩合制のパーソナルをやらせてもらえれば自分のモチベーションアップにもつながるのではないかと思います。

②他に稼げる手段を見つけておく


どうしてもトレーナー業が軌道に乗らなかった場合の保険を作っておきましょう。「保険なんて作って生きていくのはダセェよ」とか思われるかもしれませんが、今の時代、ある一つの職を失ったらホームレスになるリスクがある、という生き方をしている方がリスキーです。例えばトレーナーであったら雑誌の記事連載、セミナー開催など、「トレーナーをトレーナーする」のも大いにありだと思います。

③起業しちゃう


その人にセンスがあるのであれば、誰かの下についているのではなく起業しちゃった方がいいです。たとえば国家資格を持っていてそれで起業できる、とか、もってないけどトレーニング指導にすごく自信があって、クライアントも付いてきてくれる。とか。辛いこともたくさんあると思いますが、これこそまさにトレーナー版「すきなことして生きていく」なのかなぁと思います。僕も将来空きガレージにジムをオープンしたいなぁ。なんて考えています。けど、その分リスクも大きいことも忘れないようにしましょう。

幾つか、とか言いながら3つしか思い浮かびませんでしたすみません。

最後に

「稼げる」とかお金に関するお話がたくさん出てきてしまいました。「久保は金のことしかあたまにねぇのか!」と言われてしまえばそれまでですが、実際僕がS&Cとして活動してきた中で感じたこと、身の回りに起こったことをぎゅっとまとめるともれなく「お金」の話に要約されるものが多くありすぎるのです。トレーナーはすごく楽しいお仕事だけどその裏にあるものもちゃんと直視しよう。そんなお話でした。