ご無沙汰しております。久保です。変なタイトルでごめんなさい。今流行りのステマとか、企業案件とかでは全くないです。

近年、スポーツ業界では「現場と科学を融合する」ということを標語として掲げているところが多く、それに伴って指導者、もしくは選手自身へ向けたデバイスがハード、ソフトに関わらず続々と開発されています。

しかしながらそれらの多くは未だに個人単位で購入できるレベルの金額を大幅に上回っており、お金持ちのチームとか、大学の研究室レベルでしか買えないものばっかりです。おそらくその理由は精度の問題とか、そもそも流通が少ないため大安売りできない、なんていうものだと思います。けど、これはあくまでも研究者から見た意見(研究で使えないとか)であって、いつまでもそんなこと言っていたら現場と科学の融合なんて一生できないだろー!っていうのが僕の本音です。

で、そんなことをとうの昔に考えていた頭のいい研究者たちが、トレーニングに役立つスマホアプリを開発して、現実的な値段で販売してくれています。本日はその中で「これ、面白いかも?」というものを紹介していきたいと思います。アプリの詳細な測定メカニズムについては、公式HPへ行ってみてください。

My Jump2(HP)

このアプリは足部の動画をiPhoneで撮影するだけで跳躍高とか、F-Vプロファイルを知ることができる優れものです。もちろん動画撮影なので誤差がどこまであるか、フォースプレートと比較して正しいかはわかりませんが、一応このアプリに関する論文もパブリッシュされているようです。フォースプレートは安くてもウン百万とかしますし、それに変換器とパソコンをつなげて、専用のソフトウェアに波形を流して、、、なんてことは研究所レベルでしかできませんし、とてもじゃないですけどその手法がお金のないチームや実業団レベルに普及するとは思えません。なので、アプリの再現性さえ確保できれば(毎回の測定条件を一緒にする)、それを信じて担当アスリートや自らの測定を定期的に行ってみてもいいのではないでしょうか?

PowerLift for iPhone&iPad(HP)

このアプリは一時期流行(?)したVBTの速度プロファイルを用いて1RMを予測するアプリです。VBTの強みであるリアルタイムフィードバックはできないようですが、バーベルの挙上速度を自動で測ってくれるようです。使用法はMyJump2と同じで、動画を撮ってアプリに取り込むだけのようです。詳しく説明を読んでいないのですが、ベンチプレス以外にもできるのかな?これも測定条件さえ合わせれば、ある一定の重量の挙上速度を定期的に測定することができますね。あとは、ある程度トレーニングに慣れてきたアスリートの大体の1RMの目安を知るのにはいいかもしれないです。

HRV4Training(HP)

心拍変動(Heart Rate Variability : HRV)を用いてコンディショニングチェックができるアプリです。このアプリの便利なところは、HRV測定をするのに光電容積脈波(Photoplethysmogram : PPG)を用いているので、他のデバイスを用いずにiPhoneのカメラだけで測定ができるというところです。あとは測定タイミングを揃えて、用語の解釈さえすれば現場で使える便利なアプリなのではないでしょうか。

ちなみに、HRVとは心電図のQRS複合体のRからRの間隔(R-R間隔)を一定時間モニタリングした時のR-R間隔のズレのことで、これらを超低、低、高に分けて周波数解析することによって交感神経や副交感神経がどうなっているのかを知ることができる、というものです。よくある「ストレスチェッカー」なんていうものはこの原理を用いているんだと思います。これらの方法も「心電図と比べてどうなのよ!?」なんてことが専門家の間では議論されているようですが、さっきも言った通り条件さえ揃えて再現性があれば、個人内変動を観察することはできますよね。

あとがき

そのアプリに出てくる数値の本質さえ理解していれば(その数値が何を表しているのかを理解していれば)、アプリは強力なツールになりえると思います。あと大事なのは再現性、といったところでしょうか。

上二つに出てくるアプリはかの有名なJ.B.MorinのところでPh.Dを取得した学生が開発したアプリのようで、J.B.Morinがお墨付きを出しているようです。ズルい。